去年子供が生まれまして、なにかと医療費がかさんだので、初の医療費控除をやりました。
コロナ怖いのでe-taxで。
会社員には馴染みのない「確定申告」という文字が出てくるため、身構えてる人も多いかと思いますが、意外と簡単でした。
コロナ渦の中、出産に際して、個室や立ち会える病院を希望すると、医療費が高い病院になるかと思います。
ちょっと手間をかければお金が返ってくるので、直近で出産された方、出産予定の方はぜひ。
医療費控除とは
簡単に言うと、
国『病院代にお金いっぱい使っちゃったのかー。じゃあ、もとの収入に丸々課税すんのは忍びないねー。お金返してあげるよー。』
っていう制度です。
医療控除の大枠はこんな感じです。
- 対象:自分および生計をともにする家族のために支払った医療費
- 対象期間:1/1-12/31
- 医療費となるもの:治療費・薬代・病院への交通費等
- 控除額:医療費控除額(上限200万円)=医療費(保険金で補填された額を除く)-10万円
- 申告期間:
- 確定申告が必要な人:毎年2月16日から3月15日まで。
- 還付申告だけの人:5年間いつでも。(※例:2020年の医療費控除の申請期間は、2021年1月1日~2025年12月31日)
確定申告ってめんどくさいんでしょ
給与所得以外の所得(事業所得、配当所得、不動産所得、一時所得、等々)がある方は、確定申告が必要なのはご自身で認識されてるかと思います。
一方、副業もせず、会社からの給与しか所得がない方は、これまで確定申告とは無縁であったかと思います。
私も同じでした。
あーなんか、年末調整の代わりにやるんだよねー。会社がやってくれないから大変だよねー。くらいの認識で、漠然とめんどくさいんでしょ?と思ってました。
ちなみに、会社員やってる方で確定申告が必要なのは、以下のときです。
- 給与収入が2,000万以上
- 2ヵ所以上の会社から給与をもらっている
- 配当所得や不動産所得などの副業所得が20万以上
- 医療費控除、雑損控除などを受ける
- 住宅ローン控除を初めて受ける(2年目以降は年末調整)
- その年の途中で退職し、再就職しておらず、年末調整を受けられない
- ふるさと納税の納付先自治体が6ヵ所以上
これまで確定申告をやるのが嫌で、上記の条件にあてはまらないように逃げてました。
証券口座は、NISAか特定口座の源泉徴収ありにすれば、基本しなくて済むし、ふるさと納税の自治体も5自治体まででやってました。
ずっとそうして逃げてきたのですが、妻が妊娠し、病院代がかなりかかることが判明。
あーこれは、確定申告に立ち向かうチャンスなんだなと考え、翌年のカレンダーに確定申告をスケジュール。
そして、年が明け、張り切ってやってきました!
結果、申請~還付まで無事に終えました♪
40万の医療費と、ふるさと納税の10万を控除申請し、1ヵ月程度で8万円が指定口座に還付されました。
想像していたより、はるかに簡単でした。
道中いろいろあったんですが、トータルで8時間くらいで申請までできました。
実際に画面ポチポチやってる時間は、2時間かからないかと思います。
時給にしてもかなりいいバイトだと思うので、めんどくさがらずやってよかったなと思いました。
では私がやったことを書いていきます。
いくらもらえる?
やり方の前に、自分はいくら還付されるんだ?ってのが気になると思います。
この金額次第ではやる気起きないと思いますので。
私も大体どのくらいもらえそうか計算してからやりました。
一番上に、『控除額:医療費控除額(上限200万円)=医療費(保険金で補填された額を除く)-10万円』と記載してるんですが、これが丸々もらえるわけじゃないです。
これはあくまでも控除額。
所得税は、課税所得(年収 – 控除)× 所得税率 です。
この控除の部分が年末調整時の金額より増えたんですーという申告なので、増えた控除に所得税率をかけた金額分、税金を取りすぎてる。還付すべき。となります。
そして、所得税率ですが、累進課税なので年収によって税率が変わります。
各年収ごとの税率の目安はこちら。
私は税率20%だったので、
医療費控除額:40万 – 10万 = 30万
ふるさと納税:10万
40万(30万 + 10万) × 20% = 8万が還付額となりました。
ここでお気づきになった方もいらっしゃると思いますが、申告者は、夫婦のうち所得税率が高い方がした方が還付額は大きくなりますので、年収が高い方がやる意識を持ってた方がいいと思います。
控除申請のやり方
還ってくる金額がわかったところで、やり方です。
私はe-Taxでやりましたので、その説明になります。
国税庁の確定申告ページへ
さっそく、確定申告を作成するページに飛んでみます。
上記URLに飛ぶと、3択を迫られます。
- マイナンバーカードとカードリーダを使う
- IDとパスワードを使う
- 郵送する
e-Taxでやりたいので、郵送は論外。
そして、私はマイナンバーカードを持ってません。
というわけで、必然的にID・パスワード方式での申告となりました。
ID・パスワード方式をポチって次のページにいくと、利用規約の同意画面がでてくるので、同意して次へ行きます。
が、問題発生。
ん?利用者識別番号…?暗証番号…?
あーIDとパスワード方式ってこれのことね。事前に取得する必要があるのか。。
このページでは取得できなさそうなので、取得方法を書いてるページを探しました。
探しあてたのが、以下です。
IDとパスワードを取得する方法は2つ。
税務署でやるか、自宅でやるか。
自宅でやる場合は、
…え?マイナンバーカードが必要…?
- 税務署に行きたくないから、e-Taxでやりたい。
- → しかし、e-Taxでやるためには、マイナンバーカードが必要。。
- → マイナンバーカードは持ってないから、IDとパスワード方式を選択。。。
- → しかし、IDとパスワードを自宅から取得するには、マイナンバーカードが必要。。。。
…詰みです。
なんこれ?これ利用する人ってどんな人なの?誰か教えて偉い人。
まさかの税務署へ
というわけで仕方なく、税務署でIDとパスワードを発行してもらうことにしました。
マイナンバーカードの発行申請から、届くまで2-3か月かかることがわかったためです。(…どんな運用したらそんなに時間かかんの…?)
まず、確定申告を提出する税務署を探します。
申告は、所属する納税地を管轄している税務署に出す必要があるため、どこか寄ったついでに、近くの税務署にー。ってわけにはいかないらしいです。
↓国税庁のサイトで自分の住所から該当の税務署を探せます。
私は育休中なのもあって、平日の昼間に散歩がてらいってきました。
持っていくものは、免許証のみです。
手続きは、PCに名前や住所を打ち込むくらいで、約5分で終わりました。
IDとパスワードが書かれた紙を渡されて終了です。
e-Taxしてみる
これでようやくさっきのページ(確定申告を作成するページ)に入れるようになりました。
入力に必要になるので、1年間分の医療費の領収書と源泉徴収票を手元に用意します。
ログインする
もらったIDとパスワードでログインしてみます。
入れました。
登録した名前や生年月日が表示されるはずです。
『申告書等を作成する』ボタンがあるので、クリックします。
医療費控除の文字が見えました。
『所得税』をクリックします。
給与所得の入力
いかにも役所のシステムっぽい画面が立ち上がります。
もちろん、『作成開始』。
色々と質問されるので、回答して、次へ進みます。
源泉徴収票の入力をする画面になりました。
xmlデータがある方、手入力の方、それぞれ自分にあった方式で金額を入力して、『次へ進む』
所得の確認画面です。
給与所得だけの方は、入力した金額を確認して『入力終了(次へ)』をクリック。
所得控除の入力
やっときました。所得控除の入力画面です。
ここで医療費控除をします。
また、ふるさと納税がある方は、寄付金控除もここで入力します。
医療費控除の入力
まずは、医療費控除の『入力する』をクリック。
『医療費控除を適用する』をクリック。
入力方法の選択ができます。
- 医療費の領収書から入力して、明細書を作成する
- このWebフォームから1件ずつ入力していくやり方です。件数が少ないなら、これで全然いいかと。
- 医療費集計フォームを読み込んで、明細書を作成する
- 専用のフォーマット(Excel等の表計算形式)をダウンロードして、それに入力するやり方です。件数多いなら、#1の方法より断然早いです。私はこれでやりました。
- 医療費の合計額のみを入力する
- #2と同様、明細書は作る必要があります。指定されたフォームではなく、独自フォームでも同じような項目があれば使えるとのこと
- 医療費通知や領収書から入力して、明細書を作成する
- 医療保険者から通知された「医療費通知」があれば、明細は作らなくていいよ。というやり方。
ご自分の状況にあったものを選択して、『次へ進む』をクリック。
#2の「医療費集計フォームを読み込む」を選択した場合、以下の『フォームの読み込み』が出現します。
黄色の箇所をクリックして、入力フォームをダウンロードしましょう。
入力フォームはこんな感じです。
あとは、たんたんと領収書を転記していくだけなのですが、申請できない医療費があります。
申請できない項目は以下の感じです。そらそうか、と納得できる範囲かと思います。
ですので逆に、ここに記載のない、病院までの公共交通機関を使った費用とかは申請できます。
医療費控除の対象外 | 例 |
---|---|
診療・治療・療養費 | 美容整形等の費用美容のための歯列矯正等疲れを癒したり、体調を整えたりといった治療に直接関係ない施術費用疾病の発見がなかった場合の人間ドックや健康診断費用本人や家族の都合による差額ベッド代 |
交通費 | 自家用車で通院した場合のガソリン代、駐車場代タクシー代(緊急性がある場合や公共交通機関が利用できない場合を除く)出産のための里帰り費用 |
医療器具・医薬品 | 治療に直接必要のない近視や遠視のための眼鏡や補聴器等の購入費用疾病の予防や健康増進のための医薬品の購入費用 |
その他 | 未払いの医療費親族に支払う療養上の世話の費用、謝礼 |
あと注意点としては、申請できるのは、実際に払った金額のみです。
出産のときに、出産育児一時金が42万円でるかと思いますが、それはもちろん申請対象外です。
入力が終わったら、ファイルを選択して『選択したファイルを読み込む』をクリック。
読み込んだ結果が表示されるので、『次へ進む』。
訂正できる画面が表示されるので、問題なければ『次へ進む』
計算された医療費控除額が表示されます。
ふるさと納税をやってなければ、これにて終了。
あとは、自分に関係あるものあるかなーと思いながら、ひたすら『入力終了(次へ進む)』をクリックし続けるのみです。(キャプチャ貼るの疲れちった…)
寄付金控除の入力
ふるさと納税がある方は、寄付金控除をクリックして、控除額の入力をしてください。
寄付日、自治体名、金額を入力していくだけなので、難しいことはないです。
注意点
本文中にちらっと出てきたんですが、
ふるさと納税をやっていて、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を使用しようと思っていた方。
医療費控除をやる場合、同じタイミングでふるさと納税の寄付金控除も一緒に申請する必要があります。
ワンストップ特例制度は『確定申告の不要な給与所得者』であることを前提としているので、確定申告を行った場合、ワンストップ特例制度は適用されなくなります。
あと、医療費の領収書ですが、提出はしませんが、5年間はとっといて。ということなので、念のため保管しておきましょう。
感想
どうだったでしょうか?
一回やっておくと、来年以降も身構えることなく、たいしたことないからやるかーって気になるかと思います。
ふるさと納税も5自治体までにあえて抑えてましたが、ワンストップ使うより、こっちの方が楽かもしれないという気にもなってきました。
自治体によっては、封筒を図工の授業?と思うくらい作らされるとこあるし。
読まれた方の1人でも、やってみるか!と思ってもらえたなら幸いです。
なにより気づいたのは、思考を文章化するのはいいけど、手順書を作るのは非常に気が滅入るということ。
なんのスキルもない10年前は、こんなことやってたなーと、昔の仕事を思い出しました。。
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